日経平均株価がバブル後最高値を更新している。結構な事であるが、この状況が示唆しているのは、資産運用をしなければどうにもならないと云う事かも知れない。実質賃金は下がり続け、俸禄だけで生きようとする人間は愚か者扱いだ。当然リスクを背負う事になるが、資産を築く方法が他に思い浮かばないとは、どうにも厳しい時代となった。
そんな難しい話しではなく、あんころ餅のような甘い話しが、其処彼処に転がっていたのがバブル時代。「むこう傷は問わない」で、住友銀行の磯田天皇がやりたい放題。儲けに儲けたが、バブル崩壊と共に、大スキャンダルが発覚。ご存じ『イトマン事件』である。5000億のマネーの行方が未だもって判らないとは、何とも剛毅な話しである。
磯田天皇が嘯いたむこう傷は、正面から切り結ぶ訳だから全ては承知の助だからいいとして、正月早々、大地震により思いがけない傷を負ったのが石川県を中心とした地域。マスコミから、土厚かましくマイクを向けられた被災者の方が、箕輪厚介の『死ぬこと以外かすり傷』をもじったのか、『生き残れたら全部かすり傷』と胸を張ったのには、目をパチクチさせる事となった。かなりの部分は痩せ我慢と推察されるが、そうでも云わないと、ハートが折れるのであろう。
そんな言葉に激しく同意するのが、馬券中毒患者、元へ馬券愛好家達である。
「なんじゃこりゃ?将雅とルメール買ってたら当たりじゃねえの。あ〜あ、あれやこれや買って損しちまった」北新地の盆暗がなげいたのが『シンザン記念』。馬連5頭ボックス10点張りを敢行するも、3番人気、1番人気で決まって930円の堂々ガミ興行。とは云うものの、3着の17番人気幸Jのウォーターリヒトは出ている事すら知らなかったのだから、3連系にしていたら一たまりもなかった。くわばら、くわばら、桑原和男だったのが先週月曜日の話しである。
「マスターおはようございます。新年早々二連続的中おめでとうございます」は、プライム企業で楽勝人生謳歌中の競馬友達K君。「相変わらず嫌味な野郎だな。『シンザン記念』は、取りガミだっちゅ〜の」「なにをおっしゃいますやら、去年の張ってはハズレの連続攻撃からすれば上出来でしょう」「まあな、当たり癖って事もあるから良しとするか。今年こそバリバリ当てて儲けるぞ!と云いたい所だがいつまで張れるかね?不安しかねえよ」
「まあ、まあ。いくら悩んでもお金は増えませんよ」「本当、嫌な野郎だな。へいへいどうせボンビーでござります。これでいいか」「今日は『日経新春杯』ですか?『京成杯』ですか」「ルメールのバードウォッチャーから買いたいが一戦一勝。まだ、海のもんとも、山のもんとも判らねえ。まともなら瑠星のジューンゴールドでも、まさか恐怖の大外とは。1枠1番と小頭数のレースしか走った事がねえんだから、不安で一杯だ」
「ならば『日経新春杯』ですね」。「気がある謙一と将雅が揃いも揃って、まるで馬券にならねえ8枠。JRAも酷な事しやがる。発表!馬連ボックス。内から淳也レッドバリエンテ、弘平ハーツコンチェルト、明良ブローザフォーン、謙一サヴォーナ、将雅サトノグランツまで、一目5千で機嫌伺いだ」と結論付けた。
被災された方の「生き残れたら全部かすり傷」に同意と、とにかく当てに行く北新地の盆暗だが…..さて。